「ポジティブな変化」でも意外なストレスの正体

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人々は日常生活の中でさまざまな出来事を経験します。その中で、「ストレス」という言葉は、多くの人々にとってネガティブな状況や困難な状況と結びつけられて認識されることが一般的です。しかし、実際には、私たちが「ポジティブ」として捉える出来事でも、意外にもストレスを感じることがあるのです。

例として挙げられるのが、結婚や妊娠、昇進、引っ越しといった、人生の大きな節目となる出来事です。これらの出来事は、一般的には幸せな瞬間や前向きな変化として受け止められることが多いですが、同時にこれらの出来事は「心理的ストレッサー」として働きかけることがあると、医師の鈴木裕介氏は指摘しています。

心理的ストレッサーは、私たちの心にダメージを与える要因のことを指します。これは、大きく「ライフイベント」と「デイリーハッスルズ」の2つに分けられます。前者は、人生の大きな変化をもたらす出来事を指し、後者は日常の些細な出来事、例えば満員電車や日常の騒音などを指します。

特に「ライフイベント」に関しては、1950年代にアメリカの研究者が「ライフイベント法」というストレスを計る手法を開発しました。この手法では、結婚という出来事を基準に50点とし、その他の出来事に対するストレス度を0~100点の範囲で評価します。配偶者の死が100点、離婚は73点、転職は36点というように、イベントごとにストレスの程度を評価するのです。

この研究によれば、1年間で累積されたストレス点数が300点を超えると、1年以内に心身の不調をきたすリスクが高まるとされています。これは古い研究ではありますが、今でもストレス研究の中で頻繁に引用されています。

私たちの日常生活の中で、ポジティブと思われる出来事でもストレスを感じることがあるという事実を知ることは、自分自身の心身の健康を守る上で非常に重要です。私自身も、この知識を胸に、日々の生活の中で自分の心の動きやストレスのサインに敏感になることの大切さを感じます。それぞれの出来事に合わせて、適切な休息やリラックスの方法を見つけることで、より豊かな人生を歩んでいけるのではないでしょうか。

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